■ SRX MS-1 Racer

SRX MS-1 Racer

SRX MS-1 Racer

1990年代初頭、シングルレース最盛の頃、
「皆が 4バルブマシンを作ったとしても私は 2バルブで OK!
皆さんにはハンディキャップをあげますね」
というつもりで、SR をベースマシンに選んでレーサーを作成しました。
当時、ツクバサーキットの MS-1 (モディファイド・シングル1) は予選が 4組 130台超で、決勝進出は 32台!
思いとは裏腹にナカナカ予選通過はキビしかったのです…

そのうちに 2VS (2バルブ・シングル) のレースも始まったので、
やはり MS-1 専用のマシンを作ろうということになり、製作しました。

長年レースという場でしのぎを削ってきましたので 何回か大きな仕様変更をパワーユニット、外装、車体それぞれで行っており、 計算したくない程の金額が投入されています。

当時、既にセル付きの SRX も存在したのですが、安価なこと、軽くコンパクトであること、点火方式が CDI であることが気に入って キックの SRX をベースマシンに選択しました。

エンジンをチューニングする時もそれまで SR のでっかなバルブと効率の悪そうなポート形状で苦労を積んだ身からすると、 効率の良さそうなペントルーフ形の 4バルブヘッドはカナ〜リ理想的に見えたものです (笑)
ピストンも、最初はコスワースの 97φを使っていましたが、立ち上がり加速を良くするために 100φのコスワースに変更。

SR のチューニングをする時に 10台分程のシリンダーヘッドを削りまくって実験したノウハウを持ってポートを加工。
カムシャフトはメガサイクルの 266-20。
バルブは軽量化とポリッシュ加工を施し、ヨシムラのバルブスプリングに SOHC のチタンリテーナーを組み合わせています。

シリンダーもアルシル・スリーブにセラミックコンポジットメッキを施してもらったりしましたが、
現在は耐久性を重視して鋳鉄製を使っています。
( アルミスリーブを使う場合、シリンダー鋳物側のボーリング量が多くなり肉厚が少なくります )
クランクシャフトはノーマル。ミッションはジャックボックス製のクロスミッションを小加工して使用。

マフラーはエキパイ内側がポート加工された様な滑らかな仕上がりを見せる MUZZY のエンジン側を使用。
その後ろ側パイプは自作し、OVER のサイレンサーへ繋げています。
結果として EX ポートからサイレンサーまで納得いくカタチで繋げることができました。

これらのチューニングの結果、オートバイ誌の MAXZONE (最高速GP) でシングルクラスのレコードとなる
231.9km/h を記録しました。10年前ですが (笑)

足回り的には、スイングアームは図面をおこしてワンオフで製作。
前後ホイールは TZR250SP用のサイドカラー圧入タイプのものを使用しています。
フロントフォークは何回もの仕様変更 (FZR→TZR→TZ) を経て、
現在は TZR250R用の倒立をチューニングして使っています。
リアサスはエンドアイの長さを何回も変更した WP。

本来、ツーリング向きの車体をモディファイしてレース用にしているので、標準よりも相当リア側が高く、
フロントが低くなっています。
現在の状態で弱アンダーで安定感があり、ライダーのアクションで旋回性を引き出せる状態です。
タイヤサイズは、 F : 110/70R17 , R : 160/60R17。グリップバランスも良好です。

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フレームもタイムの向上と共に首周りを中心に補強を施し、軽量な車体を実現するため、
アルミのインナータンクやフロントの 320mm シングルディスクを装備しました。
'06 の最新モディファイとしては、ガルファーのウェーブディスクを装着し、バネ下の更なる軽量化を実現。
W ディスクも一時期使用しましたが、この車体には大径シングルが合っていると思います。

インナータンクとタンクカバーは SBM (スーパービルドマキシマム ) 製を使用。ヒンジは自作しました。
タコメータはアフリカツインの電気式 (回転数もバッチリ♪) を流用。

やはり、すべてを自分に合わせてしつらえたマシンに乗るのは格別です。
今後、ワタシ自らのライディングで、ツクバサーキットを 1分6秒台でコンスタントに走れるマシンに
することができれば!と思っています。


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